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校長「で、あるからして―――」
時は経ち、始業式の真っ最中。
相も変わらず長く無駄な話が垂れ流し状態で、俺の隣の席の留華が寝ている。
―あ、出席番号順だから、同じ名字の留華と俺は必然的に隣同士なんだぞ。
京輝「ふぁ…」
俺も眠い。同じ話を何十回すれば気が済むんだあの爺さん。
京輝「…」
…ポケットの中のハンドガンで頭に被せてある鬘を撃ち抜いてやろうかな。
いや、色々マズいし何よりメンドいからいいや。
留華「…まだ終わらないんですかぁ…?」
京輝「ん?」
留華が目を開け、眠そうに小声で話しかけてきた。
京輝「まだまだだな。それと、涎垂れてんぞ」
留華「!?」
顔を真っ赤にし、バッと口元を手で隠した。
京輝「…ったく、ほら」
ポケットティッシュを留華に差し出す。
留華「あ、ありがとう…」
焦り気味に口の周りを拭き始めた。
にしても、何でこういう話って大概長くなるのだろうか?
ほら、入学式や卒業式にしゃしゃり出てくるPTA会長とか、町長とか県議会議員とか。
意味なんてほとんど無い話をグダグダ続けて、誰も聞いちゃいないのにさ。
やっぱ見栄ってやつかね?長い話の方が頭良く見えると思ってるとか。
俺からすれば、短い話の中に最低限の意味が込められているくらいの方が学生にはいいと思うがな。
っていうか、話が長いだけなら頭悪く見えるぞ。
ま、これも無駄な考えか。
留華「ふぁ…」
口を隠して欠伸をする留華。平和だねえ。
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