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亜紀「大概はその銀髪ちゃんが知らせてくれたよ」
ほとんど全部か。
亜紀「で、君は誰なんだい?」
留華「藍川留華です」
京輝「妹だ」
義妹なのだが言う必要は無い。
亜紀「妹さんか~!」
亜紀さんが留華に指差しながら言った。
実冬「…でも、何で自分で手伝ったりしなかったの?」
む…聞かれると答えにくいな。
亜紀「こらこら、何か事情があったんだろうから、聞かないでおこうよ!妹よ」
実冬さんの肩に手を置きながら、笑顔になった。
何か意外だ。
京輝「まあ、聞かないでくれると幸いですね」
留華「…恥ずかしいですし」
そりゃそうだ。誤解したまま十数年も疎遠状態だったなんて。
実冬「…分かった」
不服そうな表情で、拗ねてしまった実冬さん。
こういう所に姉妹らしさが表れるとは、意外だ。
京輝「すみませんね。人に言うのもバカらしい理由なんで」
実冬「…そう」
とりあえずは納得したらしい。
留華「…それより、兄さんのこと『京きゅん』って呼んでましたよね?」
亜紀「うん。一回だけ中身見てから…」
留華「やっぱりそうなりますか」
おいこら、そんな話で盛り上がるな。
亜紀「うんうん。可愛らしい顔でね…」
留華「そうですよね。……」
一瞬、ほんの一瞬だけ留華の表情に陰が見えた気がした。
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