そんな役なんて要らない

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さて、早速だが今、俺の目の前に広がる光景を語ろう。 愛「光~!」 茶髪のショートカットで、顔は可愛い系の女子、名前は中村 愛(ナカムラ アイ)と… 真由「あ、わ、私も…べ、別に羨ましい訳じゃ…」 赤髪ツインテールで、綺麗系顔のツンデレ少女、長谷川 真由(ハセガワ マユ)の二人が… 光「ちょ、ちょっと二人とも!」 金髪テライケメンの、神城 光(カミシロ ヒカル)に左右から抱きついているではないか。 まったく、朝っぱらから(現在登校中)人に見せつけるようにイチャイチャと… 光は二人に女性の特徴を押し付けられ、顔を赤らめている。 あ、ちなみに長谷川さんは貧にゅ…。 メシッ あれぇ?ぼく、お空を飛んでる~ 京輝「ぶっ…」 そして見事に顔から着地。 真由「何か失礼な事、考えてなかった?陰湿キモ男」 はい、この陰湿キモ男と呼ばれているのは俺だな。 俺は藍川 京輝(アイカワ キョウキ)。 何故陰湿キモ男と呼ばれるかは、顔の八割位が前髪で隠れているから&でかい眼鏡のせい。 ちなみに前髪だけでなく全体的に長め。 自己紹介はこれ位にして、どうやら俺は長谷川さんに蹴っ飛ばされたみたいだ。 命中部位は腹部だろう。しかし咄嗟に受け身を取ったので、腹部の痛みは少ない。 京輝「未遂の時点で攻撃を加えるのはどうかと思うぞ?」 俺は立ち上がり、眼鏡を掛け直しながら言う。 真由「別にGのあんたならいいじゃない。Gは姿を現しただけで殺されるのよ?」 俺の高校でのあだ名は、G。一部からは黒い悪魔(笑)だ。 そう呼ばれる理由の一つは、俺の真っ黒な髪だろう。 茶色とか一切混じってないんだ。 さらに俺は同級生の中では一番小さい。チョロチョロしてるのがGのようなのだろう。 だがたまに泣きたくなる。
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