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「おーい陽司~、酒飲みたいなら自分で作ってくれる~?」
「ちょっ、シンさん。なんつー適当だよ」
「ついでにZIMA一本、あっちのテーブルに追加な~」
「何で俺が?」
「お前がこん中で一番年下だから」
「何それ……はいはい」
何だかんだ、シンさんの言う事には逆らえない陽が重い腰をあげると、彼が立った席にどっかりとシンさんが腰掛けてきた。
「美沙~。最近どうよ?」
「どうよって何よ?」
「相変わらず冷たいねぇ」
シンさんは目尻を細めてクックッと笑う。
「陽司も大変だな」
「……?」
「こっちの話」
「シンさん、変なの!」
「お前がバカなの!」
……陽が居ると、その場が明るくなる。
例えるなら……シンさんは、ギラギラとした真夏の太陽みたいに皆を引き付ける。
陽は。
春の日だまりみたい。
彼の隣は何故だか、心地好い。
ノラ猫ならきっと、灼熱の昼下がりよりも、日だまりの中で夢を見るんだろう。
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