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「……何で。居るの?」
逢いたくて、逢いたくて、やっと逢えたのに。
あたしの第一声は、そんな台詞で。
咽の奥がカラカラで、やっと絞り出した言葉。
怖くて、瞳を合わせられない。
それでも視線の先で陽の欠片が、不思議な程に一つに繋がっていく。
「……さっきまでシンさんとここで飲んでてさ。……携帯忘れて取りに来たんだけど、二人とも真面目な顔してるから……声かけらんなくて」
昔と何も変わらない彼の話し方に、胸がきゅんと音を立てた。
まるで時が戻ったかのような不思議な感覚。
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