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こんな風に、もう一度逢えるなんて、夢にも思わなくて。
こんな風に、普通に話しをしてくれるなんて信じられなくて。
ただただ。
あたしの瞳は、陽の姿を捕える事に必死で。
あたしの耳は、陽の声を逃すまいと必死で。
あたしの口唇は、陽へと掛ける次の言葉を探すのに必死だった。
胸が苦しくて、ドキドキして、この恋を失った時と同じくらい胸が痛んだ。
それでも確実にあの時とは違う胸の痛みに、あたしは戸惑いながらもその甘い感覚に溺れて行きそうになる。
あの寒い雪の日に、確かに終わった、あの恋。
けれど。あたしにとっては今もなお、現在進行形の恋で……
陽は、今、何を思ってあたしを見てる?
その答えを聞くのは
……まだ少し怖い。
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