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「それより、その…俊輔と……結婚、すんの?」
眉を下げて言葉を濁す陽の姿が可笑しくて、思わず笑みが零れた。
「しない……多分」
「……多分?」
あたしはようやく高鳴る胸を落ち着けて、真剣な瞳を陽にぶつけた。
陽は、それを真っ直ぐに受け止めてくれる。
「……ずっと、ずっとずっと。好きな人がいるから」
「……」
「でもその人に想いが届かなかったら。きっぱり諦めて、俊輔に嫁に貰ってもらう!」
「……だったら俊輔にはやれない。美沙の想い。俺が受け取ってもいい?」
「……っ」
「じゃないと、マジで俺アレルギー出そう」
なんて冗談を言って、陽は柔らかく微笑んでくれた。
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