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「……オマエら、マジで暑苦しいから!陽司の公開懺悔も済んだ事だし、いい加減座れば?」
シンさんは自分の席を立つと、陽の肩をポンっと叩いた。
「……俺に、一生感謝しろよっ」
シンさんに応え、陽が笑顔を携えて小さく頷くのが見えた。
胸の奥がじわじわと、熱くなる。
今、目の前にある幸せ。
例え、頬を思いっきりつねったとしても夢なんかじゃない。
今、目の前に……陽がいる幸せ。
「美沙!俺からの就職祝い。受け取れっ」
そう言って、シンさんは並んだ陽の背中を思い切り押した。
「わっ、ちょっと!」
よろけた陽を受け止めるかのように、あたしは椅子から滑り落ち、彼をこの細い腕の中に抱きしめた。
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