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今日は、本当なら仕事は休みの予定だった。
なんでも、夜から貸し切りで急な予約が入ったらしく、こうして仕事に駆り出された。
シンさんに指示されるがまま、店内の掃除をして、テーブルと椅子をセッテングしていく。
「……今日って誰かのパーティー?」
今日はやけに椅子の数が多い。
「まあ、そんなとこ、だろ」
シンさんは厨房で慌ただしく動き回りながらそう答えた。
「あたしも手伝うよ?エプロン借りるね」
シンさん一人に任せっぱなしじゃ、予約の時間に間に合わない。
壁のエプロンを手に厨房に入ろうとした瞬間、シンさんがそれを制止するかの如く、入り口に立ちはだかった。
「ちょ、シンさん、何?」
「こっちはいいから……っつうか、その前に着替えて来いよ」
そう言ってあたしの手から黒いエプロンを奪った。
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