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「ちょっと美沙ちゃん、大事なドレス汚さないでよ~?」
エリの言葉に慌ててドレスを拾い上げた。
「あ、ごめん。これ、エリの?」
「違うよ、美沙ちゃんのだよ」
「……は?」
駆け寄って来た二人は、あたしに目もくれず、鞄を広げて何やらバタバタと準備を始める。
「え?あの?何?」
恐る恐る声を掛けると、理香子ちゃんが怒ったようにあたしの方へと振り返った。
「美沙ちゃん、時間ないんだから。喋ってないで早く着替える!」
いつになく威圧的な理香子ちゃんの勢いに呑まれ、言われるがままに着ていた服を脱いだ。
「……着替え終わってるー?」
よく分からない内にドレスに袖を通し、椅子に座らされたと同時に更衣室をノックしてきたのは、俊輔で。
俊輔まで?一体、何事?
「よーし、始めるか」
彼もまた入って来るなり腕捲りをして、慌ただしくあたしの後ろに回り込んだ。
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