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「陽……その格好、何で……」
「何でって……」
ゆっくりと彼が近付く。
柔らかく微笑んで、あたしの前にそっと手を差し出す。
戸惑いながらもその手を取ると、ギュッと握り返され優しく腰を引き寄せられた。
本当にお姫様にでもなったみたい。
陽は優しくあたしを抱き寄せると、あたしの瞳を見つめて柔らかい笑みをこぼした。
「今日は、俺と美沙の……結婚式だから」
「……え?どういう事……」
陽は驚くあたしに慌てる事なくクスクスと笑って、ホールの方へと歩き始めた。
背後からはエリや理香子ちゃんがキャーキャーと悶えている声が聞こえる。
「話は後。皆待ってるから、行こう」
陽にエスコートされるがままホールへ向かうと、あたしが用意した席には既にたくさんの人が溢れていた。
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