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背の高い方の少年は、寝起きらしく瞬きを繰り返しつつ不安げに周りを見渡す小柄な少年の頭を撫でている。
「ヨ、コ…っ」
「大丈夫や、スバル。大丈夫」
その光景はまるで兄弟のようでもあり恋人のようでもあり、二人の周りには誰も立ち入ることの出来ない重い空気が漂っていた。
「ショウちゃん、」
「わ…っ、ぁ、…マル、おーきに」
その光景に視線を奪われたかのように凝視をしているヤスは、いつの間に近付いていたのか耳元で響くマルの優しい声音に肩を震わせる。
ハッと我に返ったかのように目を見開き、体を冷やしてはならないとタオルを手渡そうとヤスが近付けば、ヨコという少年の鋭い眼光が行く手を阻む。
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