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(……なんだこれ…マジなのか?ってことは今ここにいる彼女って…)
ふとさっき彼女が小林と電話していた事を思いだす
(アイツの携帯は部屋にあった…と言うことは…演技?でも何のため?)
お待たせー折角だからデザートにケーキも用意したよ別腹で行けるよね?」
彼女はあいも変わらずニコニコの笑顔で話かけてくる。しかし今はその笑顔が逆に恐ろしく感じる。
(と…とにかく早くここを出ないと…そして…とりあえず警察に…)
とにかくなるべく気取られないように平静を装おうと思ってはいるが、身体中から嫌な汗が吹き出してくる。
「あ…あの折角用意してくれて申し訳無いんだけど、ちょっと今さっき知り合いから連絡が来ていて、今日約束してたの忘れていたんだ、だからもう出ないと…」
(…われながら苦しいかこんなんじゃ…)
と思ってはいたが彼女の反応は割とあっさりしていた
「そっかぁ約束あるんじゃ仕方無いね。まぁ元々帰ってくるのが遅いコウちゃんが悪いんだもんね。帰ってきたら伝えておくね」
(!…や、やった!後はとにかく平常心…平常心…)
彼女は玄関まで見送りに来てくれた。
「じゃあその…コウちゃんには宜しく言っておいてよ。カレー美味しかったよ」
「うん!よかったらまたいつでも遊びに来てね」
「ありがとう、それじゃあまた」
そう言って俺は玄関のドアにてをかけたその時…
「あ!そうだ!」と彼女が思い出したように…
「コウちゃんの携帯電話は置いていってね」
…と相変わらずのニコニコした笑顔で言ってきた
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