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「ニィちゃん達見ねぇ顔だし、ここ来てあんま経ってねぇんだろ?物騒な街だから気をつけなよ?」
言葉と共に店員は店の奥へと戻って行く。
どうやら向こう側で揉めている連中の仲裁をしている様だ。
その時、イリアがわなわなと震えながらもゆっくり立ち上がる。
そしてブツブツと店員を見ながら何かを呟き始め、レイはそれに耳を傾けた。
「…よし、ここは上級魔法ぶっ放して店ごと…あは…あははは……」
(…怖ぇぇよバカ!)
壊れ始めたイリアに危機感を感じたレイは、イリアの両肩に手を乗せた。
それに気付いたイリアが振り返ると、レイは満面の笑みを浮かべる。
そしてポンポンと両肩を叩きながらイリアを再び椅子に座らせた。
「…なんなのさ、レイ?」
「ま、まぁまぁ…取り敢えず今は飯食わなきゃしょうがないだろ?暴れたら食えねぇぞ…?」
「……チッ!」
(し、舌打ちした!あの温厚なイリアが!!)
イリアの変わり様に驚き、レイは上半身を仰け反らせる。
流石のリーナもこれには驚いた様で、無表情を貫いていたはずの表情に、目をいつもより微かに大きく開く、という変化が起こった。
「い、イリア君、落ち着きなさい?ほら…料理もできたみたいよ…?」
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