第1章 異変と謎の美女

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「ニィちゃん達見ねぇ顔だし、ここ来てあんま経ってねぇんだろ?物騒な街だから気をつけなよ?」 言葉と共に店員は店の奥へと戻って行く。 どうやら向こう側で揉めている連中の仲裁をしている様だ。 その時、イリアがわなわなと震えながらもゆっくり立ち上がる。 そしてブツブツと店員を見ながら何かを呟き始め、レイはそれに耳を傾けた。 「…よし、ここは上級魔法ぶっ放して店ごと…あは…あははは……」 (…怖ぇぇよバカ!) 壊れ始めたイリアに危機感を感じたレイは、イリアの両肩に手を乗せた。 それに気付いたイリアが振り返ると、レイは満面の笑みを浮かべる。 そしてポンポンと両肩を叩きながらイリアを再び椅子に座らせた。 「…なんなのさ、レイ?」 「ま、まぁまぁ…取り敢えず今は飯食わなきゃしょうがないだろ?暴れたら食えねぇぞ…?」 「……チッ!」 (し、舌打ちした!あの温厚なイリアが!!) イリアの変わり様に驚き、レイは上半身を仰け反らせる。 流石のリーナもこれには驚いた様で、無表情を貫いていたはずの表情に、目をいつもより微かに大きく開く、という変化が起こった。 「い、イリア君、落ち着きなさい?ほら…料理もできたみたいよ…?」
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