第1章 異変と謎の美女

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何故かメリアリアまで気を遣い、奥の厨房からカウンターに置かれた料理を指差す。 そしてレイ達もその言葉に目を向けると、再びあの店員が料理を取りに行っている。 イリアの視界に再び店員が入った事で、黒いオーラがイリアから噴き出した。 (なんてタイミング悪いんだあの店員!…あぁもう!!) しかし、人当たりのいいあの爽やかスマイルを思い出すと、どうも責めるに責められない。 レイは困ったように頭を掻いたその瞬間… ―――ドクン…と自身の体が脈を打ち、妙な不快感が襲い来る。 表情には出さない様に周りに気を配りつつ、おもむろに立ち上がった。 そしてテーブルに座る3人を見渡す。 「あ、あのさ…俺トイレ!」 言葉と共に逃げる様にトイレに駆け込む。 トイレに向かう背後から店員の声とイリアの殺気を感じたが、今はそれどころではなかった。 そして洗面台の鏡の前に立ち、静かに右手を掲げる。 「…来い、魔剣。」 言葉を放った瞬間、レイの頭上に光が溢れ、その光がレイの手に集まり出す。 そして光は収束して形作られていき、光が収まるとその手には魔剣が握られていた。 〔…どうした?〕 魔剣から頭に直接響くこの声…ヴォルフの質問に小さく頷いてから、周りに人が来ないことを確認する。 そしてレイはポツリと、小さく話し出した。 「なんだか…変な違和感に襲われた。やっぱり、対価かな?」 〔そうか…どんな違和感だったんだ…?〕 「なんだか、自分が自分じゃない様な……そんな感じ。」
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