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女性の表情からは何も読み取れない。
恐らく、我が子に起きた突然の事態に呆然としているのだろう。
長い沈黙が続く。
いたたまれない気持ちになり、自分に掛けられた白いシーツの上で視線を泳がせる以外、何も出来ないし口を開くことも出来なかった。
どのくらいそうしていただろうか。
不意に女性が口を開いた。
「…ちょっと…待ってて…」
そう言い残し、丸椅子から立ち上がると部屋から出て行ってしまった。
再び一人きりになってしまったオレは、何か自分のことを思い出せるような手掛かりはないかと、キョロキョロと回りを見渡してみた。
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