大きな困ったちゃん

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  「これはお父さんの分だから、200円にいれないでお母さん」 「はいはい。ソースカツはお父さんの分ね」 駄菓子屋の中で、美穂の母親の美恵が、苦笑いをした。美穂の駄菓子屋での予算は、200円までと決まっている。 赤羽西の夕方の事。 一軒の家から音が鳴る。 『ピーピー』 その音は繰り返され、音が漏れる。 それは美穂が駄菓子屋で買った、ドーナッツ状のラムネ菓子の音だった。 その雑な音色は、何度も繰り返された。  
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