闇蒼堕天者-II-

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――遠くでサイレンが鳴ったような気がした 幻想をぶち壊すような耳障りなその音によって俺は現実に引きずり戻された 俺が見たいのはこの時点じゃない。もっと先……あいつを病院の近くで見かけた日だ 望魅とのキスなんてどうでもいい! “本当にどうでも良いの?” 誰だ? いや、誰でも良い。少なくとも俺ではない “そうだよ。『俺』じゃなくい。『僕』だよ” 意味がわからない 用がないなら消えてくれ “僕はただ君の本心が聞きたいだけだよ” 俺はあいつだけがいてくれればそれでいい それ以外の人間はいらない .
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