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まさかね
流石にそれは彼女に失礼だよね
いくらなんでもこの花の存在に気付かないはずがないし
とは思いつつも、一応聞いてみる
「この花じゃないの?」
僕の声が音速で彼女の鼓膜を震えさせるのとほぼ同時に、彼女はゆっくりとその花の方へと視線を動かす
しばらくの間、彼女は石像のようにピクリとも動かなかった
そうかと思うと、急に彼女は顔を真っ赤にして、僕から離れてその花の側の腰を下ろした
そして、どこからか取り出したペットボトルのミネラルウォーターのフタを開けて、その白い花に水やりを始めた
要するに、図星だったようだ
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