557人が本棚に入れています
本棚に追加
哲治には弱みを握られていますが、約束は守ってくれているみたいです。
私は思い切って言ってみました。
「私、勉強なんて教えてもらってないよ。」
「ハァ?」
美野里は薄笑いをしました。
「じゃあ、なんで哲治が勉強している横に千夏がいるわけ?模試で名前も載ったことないくせに。
私も哲治も毎回千位以内にいるんだよ?」
勝ったような顔の美野里。
「ふーん。
模試の順位がそんなに大事?」
「千夏って前から変わっていると思っていたけど、馬鹿?
私より千夏の方が順位が上だったら文句なんて、言わないよ。
哲治と勉強したいなら、それなりの成績になってからにして欲しいんだけど」
馬鹿、とまで言れるとムカついてきました。
「OK。
その台詞、忘れないでね」
私は鞄を持って帰ろうとしました。
最初のコメントを投稿しよう!