告げられた運命

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赤くなった瞳が未だ戻らない真衣は、それでも冷静だった。可愛い白い鞄の中から、ファイルを取り出すと、私の目の前に置いた。 私はそれを手にとり、ファイルから紙を抜き出す。紙には、どこかの住所らしきものが書かれていた。 「これって……」 「そう、明日から来夢はそこに住むの。そこの男子寮に、ね」 書類を持っていた手が止まる。それと同時に文面に向けられていた私の視線が、真衣へと注がれる。 「えっ……今、なんて言ったの?」 私は、真衣の言葉が理解出来なかった。 男子寮……? 私が……?  
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