・出逢い・

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・出逢い・

ひらひらと鬱陶しく桜が舞う。 「綺麗…」 という感想に、俺は一片も賛同できない。 加えて身体が熱い 気温は暖かいだけで、汗を掻く程ではないが 熱い。 歩く足を止め、空を仰ぐ。 桜の隙間から顔を出す太陽を睨みつけ 嘆息を吐くと共に頭を垂らす 睨んだからといって太陽が消えてくれる訳ではない そんな事をするよりもさっさと屋内に入りたい。 無駄に止めていた足を再び動かし、坂道を登り始める。 坂の向こうには大きな建物が見える。 塀に囲まれたコンクリートの建物 今日から俺が通う事になる学園だ。
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