・プロローグ・

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・プロローグ・

不思議な一日だった。 普段何気なく過ごしていた学園生活 その全てが記憶に刻まれるかの様に鮮明に映った。 友達との会話、先生との会話、授業の内容まで。 そしてなによりも僕が放課後になっても学校に居た事が不思議だった。 常日頃から放課後になれば真っ直ぐに自宅に向かう。 しかし 今日は違った。 特に予定があった訳じゃない。 それでも校舎を歩き、普段出入りしない屋上にも行った。 屋上から見る景色は、僕の知らない世界が広がっていた。 空が近い、手を伸ばせば届くかもしれない。 そう思うと同時に否定している自分。だけど手を伸ばさずには居られなかった。 それからグランドやプール、弓道場や柔剣道場、学校の隅々を歩いた。 この時から僕は薄々感じていたのかもしれない。 僕が僕である事が 今日で終わる事を。
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