白蓮の哀感

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「白蓮。向こうに阿魏国の木があるみたいだ。」 「本当。行きましょう。…………あっ。」 「大丈夫か?」 「……首飾りの鎖が枝に絡まったみたいだ。今取る。……紅葉、華蓮を頼む。」 休日に、たまに家族で植物園に来る。 枝に絡まった鎖を夫が外してくれる。 「…………この宝石………よく見ると中に蓮の花が彫られてる。」 蓮輝様………。 貴方は鎖で私を引き止めているのかしら……。 私は絡まったままだ。
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