織武朔の劣等感

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「朔!おめでとう!紅葉、残念だったわね。でも、頑張れば次は優勝出来るかもしれないわよ。とても強くなってて驚いたわ。」 優勝景品はペア旅行券と鍛冶屋のオーダーメイド券だった。 好きな武具を一つ、一流鍛冶屋で作ってもらえるらしい。 「紅葉。これで新しい槍を作ると良い。」 俺は純粋に教え子の成長が嬉しかった。 「いらない。」 やはり紅葉は負けて悔しいのか、俺の施しは受けたくないようだ。 ――と、思ったが…… 「欲しいものは自分で手に入れるよ。」 そう言うと紅葉はニヤリと笑った。 こいつもなかなかの男になりそうだ。
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