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出会い
わたしと順平は静岡で出会った。
始めはキャバクラのキャストとボーイの関係だった。
でもプライベートでたまたま会ったり、偶然居酒屋で遭遇していたことから仲良くなっていったんだ。
始めは好きだって気持ちはなくて、彼は彼で他のキャストと内密に付き合ってたから、何とも思わなかった。
ある時店を出た後むしゃくしゃしてたわたしは外にいた順平に話し掛けた。
「今日飲み足りないの。まだ飲みたい気分なんだけど、この辺いい店知らない?」
「俺の友達がやってるBARがあるから紹介しますよ。」
「じゃ店と順平の携帯教えて。」
キャバクラではキャストとボーイが連絡を取るのはタブーだった。でも、その時はわたしが酔っ払ってたのもあって、内緒ですよと一言言って気にせず交換してくれた。
「こんばんは。順平に紹介されて来ました。」
「順平から連絡きましたよ。お待ちしてました。お好きな席へどうぞ。」
「カクテル分からないから適当にお願いします。」
「わかりました。順平も仕事が終わったら寄るみたいですよ。」
わたしは名前も知らないカクテルを飲み干した。
数時間くだらない話と、店の愚痴をマスターに話ながら順平を待った。
「お疲れ!まだいたの?もう7時だよ。」
「う~ん」
「歩ちゃん相当飲んでたよ。俺も強いの出しちゃったんだけどね。」
「よし、ここの店は他のボーイも来るしやばいから、他行こう。マスタータクシー1台。」
たどり着いたのはジャックスという女の子はひとりで入りづらそうな、ビジュアル系のBARだった。
「いらっしゃい。」
「これ、ゆうじくん。ここの店長。たぶん歩さんとタメじゃない?」
「そうなんだぁ。よろしくね。」
「あっゆうじくん、歩さん店の子だから内密に。」
「分かってるよ。言わねえよ。」
ジャックスはカラオケも歌い放題飲み放題のお店。
この日はふたりで飲んで歌って飲んで大騒ぎした。
でも順平はふと悲しそうな顔をする。
「何かあった?」
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