一章 ありがとう。僕の大切な友達。

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「あ…あんたなにしてんのよ!」  妹は名前を要という。僕たちの関係は最悪だ。目を会わせれば喧嘩になり、肌が触れようものなら強姦魔扱いされる。  要が動揺していたのもつかの間「キッ」と僕をにらんで要は去っていった。アニキが部屋で押し倒されているところを見たんだ。あの程度ですんでよかった。 「ありゃりゃ、要ちゃんに見つかっちゃったか。」  にはは、と笑いさくらは正気を取り戻してくれたらしい。  なぜか昔から要とさくらの相性は悪い、さくらが猫みたいなのに対して要は犬っぽいのが理由というわけでもないだろう。  このあともたっぷりさくらにつきあってあげた。さくらの肌は妙につるつるしていたが僕は少しげっそりしていた。  別になにかがあったわけではないけど。一応念のために  こんなことがあったからか、今日の要の機嫌は近年でも最悪に悪かった。
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