プロローグⅠ 〈宣戦〉

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天皇 「って、なんだ藤木か」 藤木 「はい。そして、おとなしくしていただけますか、陛下」 部屋の扉のすぐ脇に、側近の一人である藤木が拳銃を構えて立っていた。天皇に向かって。 天皇 「これは…… 一体どういう風の吹き回しだ?」 藤木 「作戦決行の時が来た、そういう訳です」 藤木は澄ました顔で、銃を構えたまま天皇へ近づいていった。 天皇 「お前はさっきのバカの仲間だったということか。いや、このためにここへ入り込んだんだな?」 藤木 「仰るとおり。 長いこと我々は機会を窺っていた。 そして今日、その機会となったのだ。 ……両手を挙げていただけますね?」 天皇はため息を吐くと、座っていたソファから立ち上がり、両手を挙げた。 藤木 「大変結構です。それでは、何か言い残すことはありますか?」 いきなりクライマックスかよ……殺す気だよこの人。
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