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天皇
「って、なんだ藤木か」
藤木
「はい。そして、おとなしくしていただけますか、陛下」
部屋の扉のすぐ脇に、側近の一人である藤木が拳銃を構えて立っていた。天皇に向かって。
天皇
「これは……
一体どういう風の吹き回しだ?」
藤木
「作戦決行の時が来た、そういう訳です」
藤木は澄ました顔で、銃を構えたまま天皇へ近づいていった。
天皇
「お前はさっきのバカの仲間だったということか。いや、このためにここへ入り込んだんだな?」
藤木
「仰るとおり。
長いこと我々は機会を窺っていた。
そして今日、その機会となったのだ。
……両手を挙げていただけますね?」
天皇はため息を吐くと、座っていたソファから立ち上がり、両手を挙げた。
藤木
「大変結構です。それでは、何か言い残すことはありますか?」
いきなりクライマックスかよ……殺す気だよこの人。
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