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藤木
「貴様……!」
藤木は天皇の目前まで足早に移動してそのこめかみに銃口を押し付けた。
あー、やっぱり。全く、どうなさるおつもりで?
天皇
「だからお前はバカなんだ」
天皇の左手が一閃。
藤木の持つ銃のスライドごと銃身を力いっぱい握りこみ、怯んだ藤木の首筋に間髪入れず右手の手刀を叩き込んだ。
キャーカッコイー!!
藤木
「がはっ!」
次いで奪い取った銃で逆側の首筋を殴打。
容赦ねぇな。
天皇は床に倒れ伏し咳き込む藤木を尻目に、数歩下がってソファの背もたれ部分に寄りかかった。
そして藤木に銃を向けた。
天皇
「何故、とは問うまい。お前にもお前の考えがあるんだろう? それに従っただけのこと。ならば理由はどうでもよい。
だが他人の思想のために死んでやれるほど、私は人間が出来上がっていないのでな」
藤木
「く……」
藤木は歯軋りするように口を動かした。
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