バーチャルからリアルへ

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初めてのクリスマスには 心のこもったグリーティングカードを送りあい ケーキもプレゼントもないけど密かに「メリークリスマス」 お正月は彼は友達同士で 趣味のスノボーに 信州に行くと言っていた 私は毎年恒例で 旦那と一緒に 私の実家で過ごす予定。 お正月 姉夫婦が 「スキーに行かない?」 と提案してきた。 旦那は乗り気で義兄と 場所を決めはじめた。 私は早速 彼にメールをし「スキーに行くかもしれない」と伝えると 「どこのスキー場?」と 「まだ決まってないよ- 決まったら教えるね~」 場所が決まり 彼に伝えると 「ここから2時間くらいか..明日は帰る日だから 無理か」 「逢うつもりなんて ないわ 旦那も一緒だし スキーも下手だし ただ..いつもより距離は 縮まるね」  なんてやりとりをして 「明日は出発 早いから おやすみ☆ 気を付けて帰ってね」 「スキーでケガしないようにね  おやすみ☆」 いつもと変わらず おやすみを告げて携帯を 閉じた。 翌日 スキー場に着いて 早速一本滑りメールを入れた 「おはよう いい天気だよ いま一本滑ってきたけど 怖かった~ 下手だから時間かかっちゃった」 すると.. 「そんなに急勾配には 見えないけど..」と 「えっ?」 まさかゲレンデに居るの? 周りをキョロキョロ見回し 挙動不審な私。 心臓はドキドキ 返信を待っていると 「ウエア何色?」と このゲレンデの どこかに彼が? 一体どこに? ウエアの色や 特徴を伝えあっても 広いゲレンデでは 逢えることもなく.. 時間は刻々と過ぎてゆく ちょうど旦那が 「コーヒー飲みたいから 休憩してくる」って 言ったので チャンスだと思い 思いきってメールした 「8番リフト前に来て」と 8番リフト前にいると 後ろから 「こんにちは」と声がした 振り返ると そこには 現実の彼がいた。 「はじめまして」 と言う彼に 恥ずかしすぎて 直視も出来ず うつむいてしまった。 メールじゃなく 動いて喋る リアルな彼がいる 初めて逢ったのに 妙に懐かしく 愛しく感じてる 「やっと逢えたね 友達に無理言って 来てよかった」 笑顔で話す彼は 正直カッコよかった 彼の目に私はどう 映っているの? 気にしていると 「もう帰らなきゃならないけど 逢えてよかった ありがとう またメールするよ」 ホントにメール来るのかしら? 私は不安で一杯だった。
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