潮風の街に集え

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 ラシークが、ぴくりと眉を動かした。 「お、おおおおいネトシルっ、どっからどう見ても女じゃないか! 今のは流石に失礼だと思うぞ!?」 吃驚したエルガーツが反射的に反論した。 確かに彼の言うように、顔立ちは清楚な女性そのもの、物腰もたおやかで、緑のワンピースは体の線が出にくい物であるとはいえ、それでも胸のふくらみや腰のくびれ程度の凹凸は見てとれる。 エルガーツが言う通り、どこからどう見ても女性だった。 ラシークはふっと微笑み、ネトシルの手を取った。いきなり何を、と思う一同の前で、ラシークは取った手を自らの胸に押し当てた。 大胆にも、その手が沈み込む程に。 三度目に空気が凍った。 「お分かり頂けまして?」  本人だけが、何事もなかったように笑っていた。 理解する一瞬の間の後、残る三人の顔色が朱に染まった。
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