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「だ、だめぇ! お姉さま、なんていうかそんな大サービスだめですぅ~!!」
照れのあまり訳が分からなくなったファルセットが、ラシークを守るかの如く正面から抱きつく。
ネトシルは更に混乱した表情になって、手を凝視していた。
エルガーツは義姉妹がひしと抱き合う光景から目を背け、自分の胸に手を当てて驚きなどの余り暴れる鼓動や荒くなった息に静まれと念じていた。
ラーグノムの撤去が済み、往来に人が戻り始めたので、四人も突っ立っている訳にもいかず一時解散する事にした。
「そこの角を曲がった所の、キーツフィーブという店で、さっき倒したラーグノムを御馳走して下さるそうですよ。あなた達も是非にって。今日は熟成させるそうですから、宜しければ明日の昼にお出で下さいね」
「じゃ、また明日ね、お姉さま!」
優雅に手を振りながら、ラシークは去って行った。
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