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潮風の街に集え
都市ワイティックは栄えた港街である。
両角月のような形をしたこの国ノイターンでは、月の内側の曲線である西側の、南半分は海に面している。きついカーブを描くフルグ湾に沿って、三つの港が海への扉を開いていた。
北から順に、ドラウトロン、レトネス、そしてワイティック。
両角の中央辺りにある帝都ラティパックに最も近いレトネスが一番発展している。
そしてドラウトロンは北の山で採れる鉱石や金属の加工品を輸出しているのに対し、ワイティックは南の肥沃な大地で穫れた品々を扱う。
何にせよ、ワイティックは農村部と比べるべくもない、活気ある街である。
道々には石畳が敷かれ、壁も白に塗られて統一されている。
美しい都市だったが、ネトシルの機嫌は悪いようだった。
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