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「でもまぁ……確かにねぇ」
「さっき協力って言ったけど、ネトシルは獣の声が聞こえるらしくってさ、それでラーグノムを救うとかでニアトノームを出て仲間を求めてて。オレも丁度仕事終わってやる事なかった所だったから、それで協力って事になったんだ」
「ラーグノムを救う? 今日倒してたよね?」
今度はキョトンとする。ネトシルに比べて、なんて表情がくるくると変わる事だろう。
「ああ。ネトシルいわく、ラーグノムは混ざりものになって苦しみ続けてるんだそうだ。で、それを救う方法が殺すしかないらしい」
「ふーん、そうなんだぁ……それで今日あんなにあっさりやっつけてたのかぁ、なるほどね。でも、いきなり獣の声が聞けるとか言われて、びっくりしなかった?」
「したさ。でもなんか、納得できた」
「あっはは、そうかもね」
また笑い、杯に口をつけた。
杯に浮かべられた小さな葉が、左回りにくるりと回る。
ふいに、遠い目をした。
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