164人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしてもババ抜きも飽きてきたね~」
事の重大さが未だ分からない春美はあっけらかんにそんなことを呟く。
「逃げたわね……」
「逃げたね……」
「逃げたな……」
「ち、違うもん! さすがに7回もババ抜きは無理があるんじゃないかなぁって思ったんだもん!」
確かにそうかもな。
どうやら他のみんなも同じらしく、春美を追及するのは止め、黙りこくった。
「どうだ誘拐犯よ。他に何か遊び道具は無いのか?」
大富豪などの案は無いのかと思いつつ、
「ん~ちょっと待ってろ」
と、泉美の問いかけに応じ、少し離れたところに置いた鞄を取りに行く。
「え~と………」
がさごそと漁ってみるがO型の俺に内ポケットがついてない鞄となると、鞄の中のアイテム達は自由に遊び回り、団体行動を乱し、金○先生でも正すことは無理なのではないかと思うほど散乱していた。これだから聞く耳を持たない最近の若者達は………。
仕方ない、一個一個出していくか。
最初のコメントを投稿しよう!