一章

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「あんずちゃん?」 「はい」 「自分の名前は分かるみたいだね?」 …この人は何がいいたいのかな? 「わ…分かります」 「事故に遭ったこと…覚えてる?」 事…故…? そうだ…あたし事故に遭ったんだ…。 「…はい」 「君は車に乗ってたよね」 く…るま。 あたし、免許なんか持ってない…。 「高柳遙くんと…」 はるか…くんっ。 血の気が引いていくのが分かる。 全部…全部、思い出したっ。 確かにあの日、あたしは彼氏の遙くんの車に乗ってた。 「あ゛…あ…っ」 頭がずんずんして頭を抱える。 「あんずちゃん!」 瀬田川先生があたしに近寄って、手首を握って心拍数を計ってる。
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