一章

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やだやだやだ…っ。 「遙くんっ遙くんっ」 遙くんはどこなの…っ。 「あんずちゃん、落ち着いて!遙くんなら大丈夫だから!」 「や…っどこですか…っ遙くんはどこ…っ」 「彼なら、201にいるよ…」 病室を聞いてあたしは走り出した。 「あんずちゃん、だめだ!!」 なぜか後ろで、瀬田川先生が呼び止めようとしたけど、あたしはかまわず走りつづける。 病室に居るなら生きてるはずっ。 会って、顔をみて、安心したいよ。 走ったせいか余計に頭が痛い。 病室の前まできて、プレートを確認する。 確かに、高柳遙と記名されていた。 個室なんだ、そんな事を思いながら病室の扉を開けた。
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