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恵は達也を呼びに隣の教室へ。
私も葉月を呼びに行こうと席を立つが、放課後になると、一緒に帰るために、葉月が迎えに来てくれるのを思いだし、椅子に座り直す。
しばらく待っていると、案の定葉月が教室に入ってきた。
それを見るなり私は、葉月の元へと走っていく。
「明日の事決めるから、少し残っててって恵が言ってたよ。」
「達也からメール来てたから知ってるよ。」
もうすでに達也経由で伝わっていたらしい。
――何だか達也に負けた気分…
「なんだ、知ってたんだ。」
私は少しふてくされながら呟く。
「うん、まぁここに来た理由はいつもと同じだけどな。」
「えっ?それは私と一緒に帰るためにここに来たって事?」
「そうだけど?」
表情一つ変えずにそう言い放つ葉月。
思わず顔が熱くなる。
「嬉しい、ありがとう…」
私が恥ずかしさで、少し頬を赤らく染めていると、ガラガラと教室のドアが開かれた。
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