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「ごちそうさまでした!」
今までの人生の最短で朝食を食べ終えた私は急いで自室へと向かい、サッと制服に着替え、昨日の内に準備しとおいた教材の入った鞄を片手に、再びリビングへとかけ降りる。
リビングへ向かうと、加恵理がその特徴的な髪を母に二つにくくってもらっていた
いわゆるツインテールというやつだ。
ただでさえ中学生にしては童顔な加恵理。ツインテールにするとよりいっそう幼く見える。
そんな加恵理は学生鞄を背負って、いそいそと玄関へ向かい、それに吊られるように、私自身も自分の荷物をもって玄関へと向かった。
それにしてもツインテールにした加恵理はいつにもまして可愛くて、思わず抱きしめたくなってくる。
「ほら、お姉ちゃん、早くしないと遅れるよ!」
変態的な妄想ををしている私を、靴を履いてピョンピョンと飛び跳ねながら、手招きする加恵理。
その姿がまた可愛く、再び変態的な妄想が頭の中で繰り広げられようとするが、頭を横に降って、なんとかその雑念を振り払い、玄関へと急ぐ。
「じゃあ、母さん、行ってくるね~!」
「行ってきま~す!」
そうして、加恵理に急かされながらも、やっとの思いで玄関に辿り着いた私は、加恵理と一緒にリビングの母に、大きな声で挨拶をしてから、我が家を後にした。
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