第1章 恐怖の始まり

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「あ、紫苑、おっはよ~。」 声の主は親友の天音 恵〔アマネ メグミ〕。 恵は、少し長めの髪をいつも二つにくくっていて、とても幼い顔立ちをしている。 「あ、恵、おはよう。どうしたの?」 「あのさ、明日休みじゃん。だから、達也と葉月君も誘って、心霊スポットに行かない?」 どうやら恵は私を心霊スポットに誘いたいらしい。 ちなみに達也は、恵の彼氏で、葉月は私の幼なじみだ。 よくこの4人でいろいろな心霊スポットに行くが、今だに何も起こった試しがない。 だから私は、あまり興味がなかったが、せっかくの恵の誘いなので、とりあえず何処に行くか聞いてみる事にした。 「何処に行くの?」 「この辺に有名な廃校があるの知ってる?」 恵の言う廃校とは、つい、十年程前に、生徒の大量失踪が原因で閉鎖された、曰く付きの学校。 「知ってるけど、あそこに行くの?」 私は、半ば呆れ、どうせ何もないだろうと思いながらそう言葉を返す。 「うん。あそこで血まみれの女の子を見たって人が多いんだよね。」
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