魔払いと悪意の異女

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「供給するのは構わんのだが、銀とてそう安値の物ではないのだぞ。貴様を雇ってここ3ヶ月、全くと言って成果が無いというのに材料費だけ掛けるとは、私ら組織の総意に反しておる。  無駄金遣いと下から耳が痛い程苦情を受けておる。金は出してやっているのだから、早くあいつを退治してくれぬか?」    お説教をしやがる。まったく、飯時にそんなテンションの下がる事を言われたら、美味しい飯もたちまち不味くなるだろう。そういうのはタイミングを見計らって欲しいね。    ピザの最後の一切れとパスタを口の中へかき込み、メロンソーダで胃に流した後で俺は反論する。   「そうは言うが、誰のおかげで今までの被害を最小限に留められていると思ってんだよ。俺じゃなきゃ返り討ちどころか、街の至る所まで被害が及んでいるぞ。  ちたぁ文句や説教じゃなく、お褒めの言葉を頂きたいものだね」   「被害が最小限とは言うが、昨日は教会が、その前までは家屋やら自然やら重要施設やら、悉(ことごと)くあの少女に壊されおっておる。人害の方はもっと酷い、死者100名余り、重傷者は500いくかいかぬか、軽傷や被害者を数えれば切りがないのぉ」    まるでこちらを責めるように、いや実際責めながら黒女が起こした事件の被害者を数えていき。  最後に、こう付け加えた。
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