プロローグ

3/7
前へ
/19ページ
次へ
 見た目は上から下までが黒々していて一色。フード付きの服を来て深くフードを被り、2枚の長マフラーを首に巻き付けては残りを地面に垂れ流し、ボロボロの黒のスカートは膝下まで長く、黒ニーソと靴は生足を見せやしない。    これ、顔すら見えないから黒布のお化けみたいだな。今は夜も遅く、来ている服も先見隊と戦った後だからボロボロで、ガキが見たらトラウマになるのではなかろうか? 今日の夢に出て来たら泣きそうだ。    などと人のファッションに難癖付けていたら、ブツブツと独り言を終えたそいつはこちらに気付き。   「いたの?」   「いたぞ!」    傷付く言葉を言いやがったから条件反射で返してしまった。我ながら、こういった部分はまだ大人になり切れていない。    ま、別に追々直せば良いや。今はこの不吉の黒塊を相手にしないとな。   「今日も今日とて、悪意の黒女がいるところに銀の魔払い師参上っと。しっかし、よく先走った馬鹿共を殺さなかったよな~、そこは褒めちゃる」    いつものお決まりのセリフを言いながら、目先の功に走っては玉砕した輩を殺さなかった事を、俺は心の底から褒めてやる。    皆殺しにしていた最初からすればかなりの進歩である。このまま、歪曲仕切っちまった性格が直れば一番良いんだがな。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加