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見た目は上から下までが黒々していて一色。フード付きの服を来て深くフードを被り、2枚の長マフラーを首に巻き付けては残りを地面に垂れ流し、ボロボロの黒のスカートは膝下まで長く、黒ニーソと靴は生足を見せやしない。
これ、顔すら見えないから黒布のお化けみたいだな。今は夜も遅く、来ている服も先見隊と戦った後だからボロボロで、ガキが見たらトラウマになるのではなかろうか? 今日の夢に出て来たら泣きそうだ。
などと人のファッションに難癖付けていたら、ブツブツと独り言を終えたそいつはこちらに気付き。
「いたの?」
「いたぞ!」
傷付く言葉を言いやがったから条件反射で返してしまった。我ながら、こういった部分はまだ大人になり切れていない。
ま、別に追々直せば良いや。今はこの不吉の黒塊を相手にしないとな。
「今日も今日とて、悪意の黒女がいるところに銀の魔払い師参上っと。しっかし、よく先走った馬鹿共を殺さなかったよな~、そこは褒めちゃる」
いつものお決まりのセリフを言いながら、目先の功に走っては玉砕した輩を殺さなかった事を、俺は心の底から褒めてやる。
皆殺しにしていた最初からすればかなりの進歩である。このまま、歪曲仕切っちまった性格が直れば一番良いんだがな。
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