プロローグ

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「そのセリフ、相変わらずダサい。そして褒められたのが気持ち悪い。やっぱり全員串刺しておくべきだった」    まぁ直らないからこそ、こうして俺が出向いている訳で。おいそこの黒女、マフラーを硬化させて槍なんか作らないの。   「ったく、手の掛かる野郎で」    それは、悪意を孕ませて黒マフラーを黒槍にした女の事と、先走ってやられたのに未だに生きていやがって、殺されたら殺されたで面倒になる奴8人の事を指している。    見殺してやりたいが、立場上そうしてやれないのが苦労する。    黒槍が馬鹿共を貫く前に、俺は胸裏のポケットからビンを取り出し、蓋を開けてライターで火を付けた。   「はいはい、ちょいっとその公開処刑待ったー!」    槍先が椅子にもたれ倒れる男の心臓を刺す寸前で、ビンの中身をバラまきライターで引火させた火柱で牽制をすれば。    槍は炎に触れないように引き、黒女の周りで形成されたまま手が出せずに待機。    黒女はフードの中身で、俺の周りで燃える銀炎を煩わしく見ているだろう。鋭い殺気で思わずブルッちまいそうだが、そこは耐え声を出す。   「悪意に対する浄化、そして布に対する炎。こりゃ相性の悪さで手も出せねーよな、油と銀を混ぜ合わせた素粒子を燃料にして燃ゆる、この銀炎の前じゃな」    浄化能力を持った炎。悪意によって槍化した黒槍も、浄化の前ではただの布マフラーに戻り、更に炎が伝って全身にまで飛び火したら最後。黒女は文字通り、黒炭の体になって死ぬ。
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