魔払いと悪意の異女

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 隔離都市、旧東京都の管理下にあった島、現政府が存在を隠蔽する日本領土の島。    海底地下トンネルで東京の地下鉄と繋がっているとはいえ、在住している人間が日本人ばかりとはいえ、ここは一般的な日本の生活とはかけ離れているから、時折自分が日本人なのか? と疑問を抱いてしまう。    まず、都市は海底に沈められていて、周りを強力なガラスで覆われたドーム状。水深100メートル前後の海底島なんてのは有名な別称だし、ここに流れた外からの人物以外昔から住んでいる者はドームが壊れないかハラハラしない。    太陽光は海上に出ている地表から直通でドームに届けられ、光を増幅し拡散させる強力なフィルターがあるから日中は明るい。が、農業はしていない。    他の差違と言えば、警察組織なんてものは酷い。まず武力主義が当たり前で武力による制圧が殆ど、平和的に口で解決するより核を撃ち込んだ方が早いという組織。    敵がいなけりゃ私達の平和論。理念はそれに近く、やっている事は独裁主義みたいなものだが、反感して敵に回すより上手く付き合う方が良く反対派はあまり居ない。    それで、日本と一番違うって点と言えば。俺や黒女や黄泉音のような、異端を扱う者が普通に生活をしている事で。    錬金術から発展した異能、錬秘術を研究する施設の3階が、武力警察の司令である黄泉音の仕事部屋だ。
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