第二章 もう一人の化け猫・弐

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  「久しいな・・貴様がここに顔を出すとは・・」 私の背後からふと、聞こえて来た。 『・・・・フッシーか』 「その呼び名はやめろと言っている。それよりなんのつもりだ?」 『たまには・・たまには、昔の馴染みに会いたくもなるもんなんじゃよ・・最近な・・』 「・・・・・・」 フッシーは黙ったまま私の隣に来ると酒を備え手を合わせた。 『・・奴は飲めんかったはずじゃが?』 「あの世でくらい飲ませねばな」 暫くの沈黙・・。 フッシーは重く閉ざした口を開いた。 「お前・・・・新月を覚えているか?」  
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