第二章 もう一人の化け猫・弐

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  「…お前が知らないと言うならば奴等はこう言うだろう…」 ―じゃあ、コイツで試すか 『ッ!?…ほう、フッシーお前もそのつもりなのか?』 「そうじゃない。ただ協力しろと言っている。お前だって新月にわだかまりはないのか?昔はあんなに…」 『…言うな。』 「…?」 『…それ以上、口を開けば私はお前を殺してしまうかもしれん。』 …………。 「どうやら、交渉決裂だな」 どこからとなく声が聞こえた。 それは男の声で、私は辺りを見回した。だが、男の姿はまるで見えない。 「不知火、そいつはもう駄目だ。口で言って駄目なら態度で示すしかあるまいよ」  
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