第二章 もう一人の化け猫・弐

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  「しかし…。」 フッシーはその声に答える。 そして、その声は再び私の方へと語りかける。 「猫よ。つまらんことを言ったな。だが、お前のツレが私たちの手中だと判ったとき、お前はどう動くだろう、なぁ?」 私は、血の気が引いた。 ……ツレ。 奴の言うツレとは間違いなくシンヤの事だ。 私は無我夢中で駆け出した。 「待て、ミケッ!」 フッシーの制止を振り切り私は直ぐ様シンヤの匂いを追った…。 まだ町の中にいる。 『なんじゃ…この匂いは…』 ただ、シンヤと一緒にいるであろう人間の匂いに困惑した。 古ぼけた本の匂いに、うっすらと血の匂いがまじっていたから…。  
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