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†アリス†
私、なんであんなチャラ男とデートしなくちゃならないんだろう…。
そう思いつつ、ベッドから起きる。
んっ?
首の痣が痛い…。
この小さな薄いピンクの痣は、物心ついたときからある。
鏡でみると…
真っ赤になっている。
なんか、ここだけ痛いな…
なんて思いながら、深い赤の下地に、黒いバラ柄のレースが乗った、またまた派手なドレスに、同じ素材のミニハット、小さなポシェット、比較的ヒールが低いパンプスをはく。
また転んでしまったらヤバイし…。
タクシーに乗ってルーブルへ向かう。
もう、ルークはピラミッド前で立って待っていた。
「待たせてごめんなさい。」
「ううん…。」
なんかルークの視線を首筋に感じる…。
急に、ルークは、「やっぱり、ヴェルサイユ宮殿に行こう。」
と言って、私を引っ張る。
引きずられるようにして向かった先には、豪華なリムジンが…
押し込まれ、隣に座られる。
驚きで、得意の毒舌も出ない…
「あの…」
恐る恐る話しかける。
「君の名字は?」
私の質問無視???
「ドラクロワだけど…?」
なんかルークは、やっぱり?みたいな顔をしている。
「ル、ルーク?」
「何でもないよ。」
そうこうしている内に、ヴェルサイユに着いた。
またまた、ルークに引きずられるようにして歩いて、ヴェルサイユ宮殿の中に入った。
ルークは立ち入り禁止の階段をおりはじめる。
「ど、どこ行くの?」
「秘密♥」
私、殺されるの?襲われるの?まだヴァージンなのに?
―ピカッ
急に眩しい光に包まれる。
「きゃあ!?」
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