†第1章† 拉致

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目を開けると、ヴェルサイユではない、宮殿の広間にいた。 「父上。ただいま、アリス=ド=ドラクロワを連れて戻りました。」 目の前に急に現れた綺麗な男の人が微笑む。 「ようこそ。我が友ドラクロワ伯爵の娘よ。我が子のフィアンセよ。」 ふ、フィアンセ?? なった覚えない!! しかも、我が友ドラクロワ伯爵って? 私のパパ?? 「あ、あの…。あなたがたは?」 「私は、ここ魔球のヴァンパイアの王、ルートヴィッヒだ。私を覚えていないね?何しろ、13年ぶりだからな…」 「?」 ヴァンパイア???魔球?? 「君の父親は、私の命令に従って、人間の住む地球で、スパイをしてくれていた。そして、人間の君の母親と出逢い、君が出来た。君は、半ヴァンパイアだ。だから、今は血を欲していない。」 続けて、 「君の父親は、狼人間族のスパイに襲われ、ワシントンで亡くなった。その13年前以来、君の行方は、分からなくなってね…。みつかって良かった…。綺麗になって…。君たちの結婚式は来週にでも行おう。」 「ありがとうございます。父上。」 フワッ 地面が消えた。
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