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地球の西暦2011年のある春の日の地球、
全身がゴシックな衣装に包まれた、歩くフリルのような、可愛らしい少女が、歩いていました。
彼女は、アリス。18歳。
アメリカ人のお母さんと、フランス人のお父さんはニューヨークで出逢い……
アリスは誕生した。
アリスは、お父さんから譲り受けた、腰まで届く金色の髪と、高い鼻に、おばあちゃんとお母さんの緑色の瞳をしている。
誰から見ても美少女、バービー人形というよりは、まるで、歩くフランス人形という感じだ。
そして、その容姿にピッタリのゴシックなドレスをいつも着ているのだ。
今日のドレスは、というと、
ローズピンクのサテン生地に、白いバラ柄のレースが裾や袖のあちこちに付いていて、スカートは何枚ものパニエでふわふわに膨らんでいる。
ひらひらと舞うスカートの裾から覗くブーツも、同じくローズピンク。
頭には、同じ色のバラのコサージュ付きミニハット。
彼女は、口さえ開かなければ、ビスクドール然イメージを壊さないのだが…
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